2014年6月12日木曜日

思い出をかたちに

ハルゼミの大合唱が鳴り響く朝の森は、植物の発する香りと土の匂いでむせかえるようだ。その日は梅雨の最中でありながら珍しく朝から陽射しに恵まれ、子供を送り出す気持ちも晴れやかだった。いつものように園に着いて、衣類が満載された大きなダッフルバッグを、タープの張られた木の台の上に置く。「今日のランチは何かしら?」と黒板の文字を読んで…すると、なにやら木々の葉でデコレーションされたケーキのようなものが鎮座しているではないか。今日はここにいる誰かが誕生日を迎えることを、こうして親も自然と知ることになるのだった。

私がそのケーキを覗き込んでいる間、ひっきりなしに少し大きな子供たちがその場をおとずれ、得意になって何かを入れ(飾り)始めた。蝦夷ハルゼミの抜け殻や木の実を持って。

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親は送り迎えをしているだけなので、その日の誕生会がどのように行われ、自分の子がどんな様子で参加したのかはわからない。だが、数日経った今日のこと。レゴブロッグを無心になって積み上げて、「じゃーん!」と完成の合図。そして、一本だけ伸びた蝋燭のようなものに向かって「ふぅ〜」と思い切り息を吹きかけたではないか。これが、彼らしい誕生会の再現。

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いまは、森に入りスイカズラの甘酸っぱい実を見つけて食べることを、無情の楽しみにしていると聞く。毎日新しい遊び方を見つける子供の感性は刺激的で、私自身の若返りにも一役買っていると感じる今日このごろ。

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