2011年11月30日水曜日

ズワイガニのメスを食べる

今日の軽井沢は最高気温が14℃まで上がって、昼間は小春日和のようだった。浅間山も春霞のように輪郭がぼやけていたから、なおさらそう感じたのかもしれない。

ツルヤの鮮魚コーナーで、新潟産の”メガニ”と名のついた小ぶりな蟹を見つけた。近くにいた店員さんに「メガニとは何ですか?」と聞いてみると、ズワイガニの雌のことだという。それはつまり、香箱蟹なわけで...。

夕方から暖を取り始めた薪ストーブのテーブルトップで、さっそく蒸してみる。浅黒かった蟹の甲羅が鮮やかなオレンジ色に変わり、いい香りがしてきた。甲羅をパカリと開けると、中にはしっかりと卵があり横には味噌が見えた。小さいながらも濃厚な味である。加賀の寿司屋の旦那が言っていたことを思い出した。「どうして、ズワイは雄ばかりの値が跳ね上がるのかわからない。石川で蟹漁が解禁され11月に入ると、もう週単位で値が上がっていくんだ」と。対して、ズワイガニの雌である香箱蟹は市場価格がリーズナブルな上に、美味しいのだ。私は、小さくて食べずらくても、こちらが好みかな。

2011年11月29日火曜日

お土産は 林檎

どの家にも林檎のストックがある、そんな季節になった。我が家はこの時期になるともっぱらフジ派だが、昨日はホームパーティ仲間が珍しい林檎を交えて持ってきてくれた。ご実家の青森から届いたものだという。

手前の、皮が薄く黄色いものが”金星”と名のついた林檎で、見た目はまるで二十世紀梨そのもの。切って見ると、ジャスミンのような清涼感のある香りがして、口に含むと水のようにあっさりとした味わいだった。蜜のできた甘〜い林檎もいいが、夕食後のフルーツとしては糖分が気になって...という私にはとても好都合。玄関ホールで冷やして美味しくいただいた。

私の育った頃の実家には、この時期になると色々な種類のみかんが何箱も並んでいたものだ。果たして、最近はどんな果物が置いてあるのだろう?それとも、もう箱にたくさん入った果物自体が珍しくなっているかもしれないな。信州の冬籠りと言えば林檎だろう。昔から、そしてこれからも。

2011年11月27日日曜日

オモニの味

ハルニレテラスでショッピングを楽しんだ後、韓国料理の三清洞へご飯を食べに行った。この店は焼肉よりオモニの家庭料理がオススメ。手作りのキムチを一度口にしたら、質の良い唐辛子を惜しげもなく使っていることがわかり、もう他のものは食べられなくなるし、次々と運ばれてくるこれらの前菜も一つひとつが丹精込めた味わいで、体調を整えたい時や疲れている時は、特に嬉しくなる。

今日は初めて、店の名物になっている”トラジ炒め”をオーダー。トラジとは朝鮮人参に似た、韓国の桔梗の根だそうで、ほろ苦さと歯ざわりの良い食感が病みつきになる美味しさだった。お酒のつまみにもぴったり。

寒くなってきたら、ぜひここの参鶏湯を食べにこようと思っていたのだが、なんと今月いっぱいで夏の営業を終え、来年の3月31日まで冬季休業に入るのだとか。軽井沢には、”気軽に” ”美味しい”ものが”お腹いっぱい”食べられる三拍子揃った店が数える程しかない。だからこそ、実に残念に思う。

帰り道で見つけたウメモドキの赤い実と、宿木。鳥たちの透き通る声があたり一面を満たす静かな冬は、もうすぐそこまで来ている。

2011年11月26日土曜日

クリスマスモード

町のいたるところで、クリスマスのデコレーションが見られるようになった。いつの間にか、日本人もそのようなものから年の瀬を感じるようになったのだから不思議だ。

ハルニレテラスにも、沢山のツリーがお目見え。夜になったらライトアップされるのかな?

しかし、クリスマス気分に浮かれてばかりはいられない。昨日の夕方には、我が家の向かいの通りで火事が起きた。何台もの消防車が急行し、水道の出も悪くなったほどだ。軽井沢では有名なピザ屋で、どうやら全焼してしまったと聞く。この町で大きな火災が起きるのは、決まってこの時期、この時間。どの家庭でも店でも、何かしらの手段でたっぷりと暖をとりはじめる頃だ。火の取り扱いには充分注意していきたい。

2011年11月25日金曜日

日本のお菓子

昨日はタイのお菓子だったが、今朝は日本のお菓子について。昨年あたりからお気に入りになっているのが、京都 宇治 ”森本”さんの抹茶ロール。東京駅で買えるのが嬉しい。

今朝は、朝食の後に決まって食べる旬の果物の代わりにパクリ。鮮やかなグリーンと抹茶の香りで、寝ぼけた頭もリフレッシュ。日本人が手がけるお菓子のレベルは本当に高いなーと常々思うが、最近のロールケーキの生地も素晴らしいものがある。小さい頃に食べた苺のショートケーキなんかと比べると、しっとり感がまるで違って。

せっかくなので、家にあるグリーンの食器を合わせてみた。先月の金沢で買ってきた九谷焼の小皿と、漆のお盆は高山のもの。

2011年11月24日木曜日

タイのお菓子

これは、日本の紅葉を見るために、軽井沢を訪れていた女性からいただいたお菓子。見た目は日本の羊羹のようだが、香りはタイらしくココナツの香り。カラフルな色合いのため、はじめは口に運ぶのを躊躇ったが、芋がベースになっていて甘さも控えめ。とても美味しいお菓子だった。よく見ると、生地は何層にも重ねられていて美しいストライプ模様であることがわかる。銘菓の趣だ。

そんな彼女が軽井沢に滞在している間に、タイではチャオプラヤー川が氾濫し始めた。今から一ヶ月ほど前だったと思う。チャオプラヤー川と言えば、バンコクからアユタヤの遺跡を観に行く為に、オリエンタルホテルの船で移動した思い出の大河である。ニュースでは、ようやく水が引きはじたと報じられてはいるが、実際のところはわからない。

日本人にとって2011年は、人生の記憶に刻まれる年になった。タイ人にとってもそれは同じではないだろうか。未曾有の自然災害だったが、災害の原因の中には私たち人の営みが関与している要素が多々ある。

2011年11月23日水曜日

静寂

雨のように降り続いた落葉松の落葉が終ったようだ。空は急に広くなり、夏の間は昼間でも暗かった通りが明るく、人や車の気配も感じやすくなった。晩秋から、いよいよ冬へのカウントダウンがはじまったのだ。

いま、こうしてブログを書いている部屋からの眺め。

樹木の美しさは、葉っぱという衣装を纏っている時だけじゃないんだ。まずは、”健全なる骨格”が美しさの基本だってことを私に教えてくれる。

先月のアルバムには、艶やかに色づいた葉っぱや木ノ実の写真がたくさん。10月と11月では、暮らしを取り巻く風景がこんなに違っていたのだから驚きだ。

今朝の軽井沢はマイナス5℃近くまで冷え込んだ。地面には霜柱ができ、それが水晶のようにキラキラと光っていたものだから、「今年はどんな冬になるのかな?」と少しばかり緊張した。10回目の冬であっても、やっぱり緊張する本格的な寒さがここにはある。

お知らせ

Bone conduction life 軽井沢おいしい暮らしをご覧いただいている皆様へ

こちらのサイトにブログを引っ越したのも束の間。PCからiPadに替えたのですが、使い始めたBrogPressというブログアプリが突如動かなくなり、ほとんどアップできない状態が続いていました(ブラウザからのアップはiPadだと写真の挿入ができませんでしたし...)。ですが、この度 非常に使いやすいソフトを見つけましたので、これからはコンスタントに日々の暮らしを綴っていけるかと思います。

iPadでGoogle Blogger にアップするならBrogsyがオススメです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

2011年11月21日月曜日

冬の近づき

落ち葉の敷かれた小道を思う存分歩いたら、冬将軍が到来。朝晩はめっきり冷えるようになり、夕方は16:30から薪ストーブを焚きつける毎日だ。しかし、日を重ねるごとに寒さに順応してゆくこの身体が頼もしい。晴れた昼間はセーターを着ているのが辛いほどで、七分袖のカットソー一枚で過ごしてしまうこともある。

落ち葉の中からひょっこりと顔を出したのは、山栗の兄弟。今年の栗は甘く、幾度も食卓に上がった。手間はかかるがその分だけ味わいは贅沢なものとなり、堪能した。栗や胡桃といったナッツ、そして貝・甲殻類を本気で味わおうと思ったら、殻つきに限るのだ。

一年を通して、料理といえば”鋳鉄の鍋”にお世話になりっぱなしの我が家。だが、都会にいた頃は、その良さに気づくことはなかった。慌ただしい時間が、この素晴らしい鍋の欠点ばかりを浮き彫りにしてしまったのだと思う。その欠点とは、プレヒートに時間を要することと、重たいこと、熱が冷めにくいことである。それらは今となっては、すべてが魅力に変わっている。

手作りされた美味なるソーセージを最高の状態で味わうなら、やはり鋳鉄に勝るものはない。

ペンネアラビアータのようなパスタも、最後の一口までが熱々で美味しいのだ。

薪ストーブという優秀なコンロが、冬の間の食卓を一層豊かなものにしてくれる。