2011年12月29日木曜日

たまには、カフェイン

私にとってクリスマスケーキというものは、数ヶ月前からお気に入りのパティスリーに予約を入れておくものだった。大きさはもちろん、ホールである。だが、今年の場合は勝手が違う。イベントとはいえ、身体はただでさえ太りやすい状態にあり、太って後悔するのは自分だけではないから、ケーキ離れは本気度を増している。
というわけで、高カロリーなケーキを断念して取り寄せたのが、宇治茶の名店が作る”抹茶あんみつ”だった。爽やかな抹茶ゼリーに、水の美味しさがストレートに伝わる寒天や白玉、品よく炊きあげた大納言小豆を盛りつける。ここに、上質で濃厚な抹茶蜜をたっぷりとまわしかけて口に運ぶのだ。薪ストーブが生み出す柔らかな暖かさの中では、冷たくて瑞々しくて”ビターな味”こそがご馳走!と感じ入った。

この身体が求めていたものは、ビターで爽やかな...。つまり、強めのカフェインだったと気がついた。たまには、こんなご褒美もいいでしょう。

2011年12月25日日曜日

真冬の食卓

クリスマス寒波の影響を受けて、明け方はマイナス10℃まで冷え込む軽井沢。望む浅間山も日増しに雪化粧を濃くしている。パウダースノーが薄っすらと舞い降りた朝の風景、それに身を切るような独特の寒さはもはや日常のものとなり、朝日に照らされてその雪が消えてゆくのを楽しむ余裕さえ出てくる。

このような環境だから当然、”甘みを増した野菜”と”脂の乗った肉や魚”が、毎日の食卓のメインに。

今が旬の寒締ほうれん草をソテーして、和牛のサーロインをミディアムに焼いたら、(ブイヨンを加えた湯で茹で上げた)卵のファルファッレを添えて。

2011年12月22日木曜日

赤と緑

雲が多く、日差しに乏しい一日。14時近くになってようやく外が明るくなったが、室内はひんやりとしたもので、いつものように無暖房で過ごすというわけにはいかない。朝に焚きつけた薪ストーブの炎を、今日は絶やさない方が賢明だろう。

平日の日中は静かなこの町も、夜の帳が降りればクリスマスのイルミネーションがあちこちに灯され、その愛らしい光に心が浮き立つ。日本人のみんなが、みんなクリスチャンではないはず。しかし、クリスマスというイベントの華やいだ雰囲気を、この国の民は自然と享受する。それは考えてみれば、とても寛大で素敵なことだ。


我が家のリビングにも、普段はない”色と光を纏った”小物が加わり始めている。

冷え込みの厳しいこの時期に、あえてイルミネーションを観にいくなら、私は寒さ対策をしっかりとした上で消灯時刻の迫った頃を見計らって出掛けることだろう。人口の灯りが消えた瞬間に、主役は夜空にバトンタッチ!漆黒の闇に浮かび上がる(こんどは天然ものの)星々の煌めきをも堪能することができるからだ。昨夜、天窓から仰ぎ見た冬銀河も素晴らしかった。それもこれも、すべては寒さが織りなす美しさ。





2011年12月20日火曜日

カードの季節

今日は冬至。朝一番でトンボの湯へ行き、柚子湯を堪能してきた。夏の菖蒲に秋は林檎...季節によって、様々なものが浮かぶここの内湯だが、やはり柚子は大堂である。身体の芯からじんわりと温まり、残すところ10日となった一年を振り返る機会をくれる。

郵便局に寄り、昨夜したためたカードを投函。私にとって、”クリスマスカードだけを送る”ことは、この一年の間に身内に不幸があったため、年頭の挨拶(つまりは年賀状)ができなくなった方へ送るメッセージとなっている。

だから正直なところ、少なければ少ない方がいいなと思っているのだが...。

2011年12月19日月曜日

霧氷


朝8時の気温、マイナス5℃。師走らしい冷え込みに、朝霧が凍りついたようだ。軽井沢で霧氷した眺めといえば、離山や矢ケ崎山などの山肌に。また、身近なところでは落葉松の天辺付近に見られることが多い。しかし、今朝は地面に近いススキまでもがしっかりと霧氷していたから驚いた。

霧氷は、その時の気温と空気中の水分の絶妙なバランスが創り出す、なんとも幻想的な現象だ。

今日も、庭の水辺鉢の水は一日を通して凍りついたままかもしれない。茶褐色の冬枯れした庭に、真っ白なノラ猫がやってきた。その色の対比は実に目立つ。彼女が水辺鉢の端に脚をかけたと思うと、次の瞬間にはそそくさとその場を立ち去ってしまったではないか。飲み水が見つからない時は野鳥も訪れない。静かで厳しい北の朝の始まりは、いつも彼らのような小動物が教えてくれる。

2011年12月16日金曜日

ポストの中に...

入っていたのは、メッセージの添えられたお守りだった。


ご近所さんの娘さんが買ってきてくれたようだ。毎日忙しく働いている彼女には、近所とは言ってもバッタリ会うことは少なく、挨拶以外の会話はほとんど交わしたことがない。以前、私が使わなくなった洋服やバッグをあげたことがあったが、その時はとても喜んでツイードのコートなどは毎日のように袖を通していたと聞く。さりげない気遣いができる女性は、きっと将来、ステキなマドモアゼルになるだろう。

2011年12月15日木曜日

根雪になれなかった雪


12月も半ばになるが、日中は驚くほど穏やかな陽気に恵まれている。最高気温は8℃まで上がり、先週9日に降り積もった雪は、根雪になることなく消えてしまうようだ。

不思議なもので、一度目に焼き付いた”雪の白さ”が眺めから消えると、雪がある時よりも一層寒々しく感じられる。晩秋から、ずっと冬枯れの景色を見てきたのにだ。

明日、長野県中部地方に入る軽井沢の天気は晴れの予報。しかし、北部では明日から連日雪になるのだとか。一口に晴れと言っても、北アルプスからの冷気が漂う、師走らしい週末になりそうだ。


2011年12月12日月曜日

師走と言えば柚子かな

今日のお茶請けは、和泉屋傳兵衛の新作 ”柚子道明寺”。白餡に柚子ジャムの香りが効いて爽やか。

朝の冷え込みは厳しかったが、日中は日差しに恵まれた今日の軽井沢。昼間の気温は10℃まで上がり、先日降り積もった雪をも融かす勢いだ。11月頃から頻繁に食べてきた柚子だが、やっぱりこの果実は12月が最もよく似合うのではないだろうか。早いもので、冬至まで一週間ほど。

いつもはこの頃になると、毎日を何かに急かされるように慌ただしく送っていたような気がする。しかし、今年は違う。一日をじっくりと味わっている、いや、味わおうとしている、そんな感じなのだ。人生の中で、今のこの瞬間を大切にしたい!という気持ちがそうさせているのだと思う。

2011年12月11日日曜日

皆既月食の星降る夜

昨夜は、見事な”皆既月食”だった。これまでの人生で月食には何度も遭遇しているが、自宅の庭からまじまじと眺めたのは初めてだ。地球の影になった暗い月の姿が幻想的なだけでなく、漆黒の闇に浮かぶ冬の星座のなんと美しいこと!心の底から感動した。

日食に比べて、月食は月が出てさえいれば何処でも見られる現象。しかし、次回は来年の6月4日で、それは昨夜のような皆既月食ではなく部分月食だ。

軽井沢では、最低気温がマイナス10℃くらいまで冷え込む日も出てきた。本格的な冬の到来に、日々静けさを増してゆく町だが、このような環境の中にこそ真の贅沢があるような気がする。(上の写真は、12月9日。リビングからの眺め)




2011年12月9日金曜日

いつもと違う白さに

昨夜の雨は雪に変わっていた。明け方、いつもと違う白さに目が覚めると、窓の外には白銀の世界が広がっていた。雪は、サラサラのパウダー!このまま板を積んでスキー場へ向かいたい気分だが、この冬はそうもいかない。

昨日、雪掻きスコップを買っておいたことが幸いした。今回のような軽い雪の場合、まずナイロンのブラシで雪をデッキの端まで掃きだし、その後に雪掻きスコップで塊を落とすというやり方をする。デッキと言っても所詮は”木”。雪が降るたびに硬いものでゴリゴリと擦っていては、表面の塗装が剥げるだけでなく、水気を吸って柔らかくなった木材そのものが痛んでしまう。






















時刻は10:30をまわった。雪をもたらした厚い雲はゆっくりと東に流れ、雲の隙間からペールブルーの空が見え隠れしている。雪の朝は何度見ても清々しく実にいいものだ。今日は金曜日、そろそろスキー初めなんて方も多いのではないかな。

2011年12月8日木曜日

雪掻きスコップを新調

いつ雪が降ってきてもおかしくはない、どんよりとした空を眺めていたら、大事なことを思い出した。昨年の大雪で、家にある2つの雪掻きスコップが壊れて使い物にならなくなっていたのだ。雪掻きスコップなしで冬を迎えることなど、到底不可能。さっそく、ホームセンターへ買いに行った。

あった、あった!ポリカーボネイト製の頑丈なものが。迷わず2つ購入する。

明日の天気予報には、雪マークがちらり。冬籠りの準備は静かに着々と進めていきたい。

2011年12月7日水曜日

ハルニレテラスで早めの夕食


時刻は16:30。出先からの早めの夕食は、ハルニレテラスの希須林へ。ここは、東京に暮らしていた頃からのお気に入り。担々麺の上に鳥の唐揚げが乗ったパイコー麺は、無性に食べたくなることがある。好みで選べる辛さは、もちろん大辛。

お腹がいっぱいになって外に出ると、青かった空が漆黒の闇に変わっていた。この冬ハルニレラテラスの中庭に登場したドイツ製のメリーゴーランドが、なんとも素敵。一回300円で乗ることもできるみたい。

2011年12月6日火曜日

この時期にぴったりの読み物

今朝は、マイナス5℃まで冷え込んだ軽井沢。浅間山は今シーズンに入ってから数回は冠雪したが、まだ雪景色を留めるには至っていない。しかし、北アルプスはもう真っ白である。雪は見えずとも、キーンと張り詰めた冬の冷気が、窓一枚を隔てた空間に満ちている。

午後から読み始めた藤田宣永さんの「老猿」は、まさにこの時期にぴったりの読み物だった。ここ軽井沢で何度か冬を過ごした者なら間違いなく共感してしまうだろう、日常のシーンや不思議な出会いの数々。また、都会の喧騒を懐かしく思う一方で、移ろう季節の中での”庵を結ぶような生活”も捨て難くなるという贅沢な悩み。また、孤独というものにも次第に慣れ、その輪郭が曖昧模糊にぼけてゆく...といった、リアルな描写にも思わず納得してしまうのだった。

小説であるから、物語はもちろんフィクションである。しかし、読み進めていくと、半分以上はノンフィクションであってもおかしくないような。実際、ここに描かれていることはそこらじゅうで起こっているのではないか?と感じずにはいられなくなる内容なのだ。藤田さん自身も奥様の真理子さんと軽井沢に暮らしている(よくツルヤでお見かけする)ので、これほどリアルに描けるのだと思う。これから軽井沢で越冬される方には、ぜひオススメしたい本です。

2011年12月5日月曜日

今年のリース飾り

「”新鮮な”材料が余っているので一緒に作らない?」と、日頃から小物作りに凝っているご近所さんが誘ってくれた。そうして完成したトウヒのリースがこちら。

明日から、我が家のエントランスを彩ってくれると思うと嬉しくて...。きっと、これから訪れる白銀の風景に、このリースがほのかな温かみを添えてくれることだろう。

2011年12月4日日曜日

美術館とカフェ

肌を刺す冷気が心地よい午後は、今年の10月10日にOPEした、日本画家 千住 博さんの美術館へ。といっても実際には美術館に併設されたブランジェ「浅野屋」へ、ブランチに出かけた。18号バイパスぞいに建つその建物の奇抜さは軽井沢でも群を抜いていて、一度訪れたいと思っていたのだ。

明るく清潔感に溢れた店内には、焼きたてのパンやデリが並び、食欲をそそられる。さっそく、出来たての美味しそうなデリが4品と小ぶりなパン、ドリンクがセットになったプレートをオーダー。美術館のエントランスが見える席に座ってみた。見上げれば、建物のデザイン同様に複雑な天井が広がり、内部まで凝った建築物であることがわかる。

こちらが、今日いただいたプレート。てっきりランチ限定のメニューなのかと思いきや、店の開店時間(AM8:00)からオーダーできるという。前菜がメインなのでバランスが良く、私はとても気に入った。

千住博美術館の見所は、何といっても西沢立衛氏による斬新な建築と、周囲を取り囲む贅沢な植栽とのコラボレーションではないだろうか。まだ緑の残るこの時期も良いが、私はぜひ、この美術館全体が真っ白で厚い雪に包まれた極寒の一日に、氏の代表作品(ウォーターフォール)にのんびり会いに行きたいと考えている。

2011年12月3日土曜日

雪が消えて

激しい雨音に目覚めると、景色から白が消えていた。初雪とは、いつもこのようなものだ。しかし、早めにスタッドレスタイヤに履き替えていたのは幸い。昼間は温かな雨に変わっていても、12月ともなれば気温の変化は激しくひと時も油断はできない。夜には、その雨が凍りついて路面は恐怖のベルグラ状態...そんなことも多々あるからだ。

昼間から炊き始めた薪ストーブで、今日も日のあるうちからのんびりと夕食づくりを始めた。今宵のメニューは、きりたんぽとバイ貝の煮付け。薪を足す時は自ずと強火になるので、その火力を利用して湯通しをしたり。また、火が安定してきたら蓋をしてコトコトと煮込みに当ててゆくと、どんなものでも美味しく出来上がる。身体が温まりながら料理が次々と完成してゆくので、一石二鳥だ。

そろそろ鉄瓶の湯が沸いた。今のうちに食後の珈琲やほうじ茶を淹れておこう。湯たんぽも忘れずに。

2011年12月2日金曜日

薄っすらと雪化粧

昨日の夕方から降り出した雪は、想像より降り積もっていた。今朝は、薄っすらと雪化粧をした軽井沢。雪の日は外がとても明るいから、目覚ましがなくても自然と早起きに。

こんな日はリビングの薪ストーブを焚いて、フジコ・ヘミングさんのピアノ曲などを流してのんびりと過ごすのがいい。今回の雪は少量だし湿り気があるため、本格的な静寂を作り出すまでには至らないが、雨の日とはまた違った静けさが漂う。一枚のCDを聴き終えてこの耳に届いたのは、薪の爆ぜる音と、鉄瓶の湯がシュンシュンと沸く音だけ。だから冬は好きになる。

2011年12月1日木曜日

木目込み人形が届く

旦那さんの実家から、手作りの木目込み人形が届いた。来年の干支は”辰”だが、今回は”戌”の人形のおまけつき!お産が楽な戌にあやかろうというものであろう。私も一度手毬作りを体験したことがあるからわかるが、木目込み人形は一つでも大変な技術と時間を要する。感謝である。

今日の軽井沢の最高気温は、たったの1℃!浅間山はぶ厚い雲にすっぽりと覆われ、その中ではおそらく雪がちらついていると思われる。今日は早めに薪ストーブを焚こうか。きっとその雪はこの町にも舞い降りてくるだろうから...。

2011年11月30日水曜日

ズワイガニのメスを食べる

今日の軽井沢は最高気温が14℃まで上がって、昼間は小春日和のようだった。浅間山も春霞のように輪郭がぼやけていたから、なおさらそう感じたのかもしれない。

ツルヤの鮮魚コーナーで、新潟産の”メガニ”と名のついた小ぶりな蟹を見つけた。近くにいた店員さんに「メガニとは何ですか?」と聞いてみると、ズワイガニの雌のことだという。それはつまり、香箱蟹なわけで...。

夕方から暖を取り始めた薪ストーブのテーブルトップで、さっそく蒸してみる。浅黒かった蟹の甲羅が鮮やかなオレンジ色に変わり、いい香りがしてきた。甲羅をパカリと開けると、中にはしっかりと卵があり横には味噌が見えた。小さいながらも濃厚な味である。加賀の寿司屋の旦那が言っていたことを思い出した。「どうして、ズワイは雄ばかりの値が跳ね上がるのかわからない。石川で蟹漁が解禁され11月に入ると、もう週単位で値が上がっていくんだ」と。対して、ズワイガニの雌である香箱蟹は市場価格がリーズナブルな上に、美味しいのだ。私は、小さくて食べずらくても、こちらが好みかな。

2011年11月29日火曜日

お土産は 林檎

どの家にも林檎のストックがある、そんな季節になった。我が家はこの時期になるともっぱらフジ派だが、昨日はホームパーティ仲間が珍しい林檎を交えて持ってきてくれた。ご実家の青森から届いたものだという。

手前の、皮が薄く黄色いものが”金星”と名のついた林檎で、見た目はまるで二十世紀梨そのもの。切って見ると、ジャスミンのような清涼感のある香りがして、口に含むと水のようにあっさりとした味わいだった。蜜のできた甘〜い林檎もいいが、夕食後のフルーツとしては糖分が気になって...という私にはとても好都合。玄関ホールで冷やして美味しくいただいた。

私の育った頃の実家には、この時期になると色々な種類のみかんが何箱も並んでいたものだ。果たして、最近はどんな果物が置いてあるのだろう?それとも、もう箱にたくさん入った果物自体が珍しくなっているかもしれないな。信州の冬籠りと言えば林檎だろう。昔から、そしてこれからも。

2011年11月27日日曜日

オモニの味

ハルニレテラスでショッピングを楽しんだ後、韓国料理の三清洞へご飯を食べに行った。この店は焼肉よりオモニの家庭料理がオススメ。手作りのキムチを一度口にしたら、質の良い唐辛子を惜しげもなく使っていることがわかり、もう他のものは食べられなくなるし、次々と運ばれてくるこれらの前菜も一つひとつが丹精込めた味わいで、体調を整えたい時や疲れている時は、特に嬉しくなる。

今日は初めて、店の名物になっている”トラジ炒め”をオーダー。トラジとは朝鮮人参に似た、韓国の桔梗の根だそうで、ほろ苦さと歯ざわりの良い食感が病みつきになる美味しさだった。お酒のつまみにもぴったり。

寒くなってきたら、ぜひここの参鶏湯を食べにこようと思っていたのだが、なんと今月いっぱいで夏の営業を終え、来年の3月31日まで冬季休業に入るのだとか。軽井沢には、”気軽に” ”美味しい”ものが”お腹いっぱい”食べられる三拍子揃った店が数える程しかない。だからこそ、実に残念に思う。

帰り道で見つけたウメモドキの赤い実と、宿木。鳥たちの透き通る声があたり一面を満たす静かな冬は、もうすぐそこまで来ている。

2011年11月26日土曜日

クリスマスモード

町のいたるところで、クリスマスのデコレーションが見られるようになった。いつの間にか、日本人もそのようなものから年の瀬を感じるようになったのだから不思議だ。

ハルニレテラスにも、沢山のツリーがお目見え。夜になったらライトアップされるのかな?

しかし、クリスマス気分に浮かれてばかりはいられない。昨日の夕方には、我が家の向かいの通りで火事が起きた。何台もの消防車が急行し、水道の出も悪くなったほどだ。軽井沢では有名なピザ屋で、どうやら全焼してしまったと聞く。この町で大きな火災が起きるのは、決まってこの時期、この時間。どの家庭でも店でも、何かしらの手段でたっぷりと暖をとりはじめる頃だ。火の取り扱いには充分注意していきたい。

2011年11月25日金曜日

日本のお菓子

昨日はタイのお菓子だったが、今朝は日本のお菓子について。昨年あたりからお気に入りになっているのが、京都 宇治 ”森本”さんの抹茶ロール。東京駅で買えるのが嬉しい。

今朝は、朝食の後に決まって食べる旬の果物の代わりにパクリ。鮮やかなグリーンと抹茶の香りで、寝ぼけた頭もリフレッシュ。日本人が手がけるお菓子のレベルは本当に高いなーと常々思うが、最近のロールケーキの生地も素晴らしいものがある。小さい頃に食べた苺のショートケーキなんかと比べると、しっとり感がまるで違って。

せっかくなので、家にあるグリーンの食器を合わせてみた。先月の金沢で買ってきた九谷焼の小皿と、漆のお盆は高山のもの。

2011年11月24日木曜日

タイのお菓子

これは、日本の紅葉を見るために、軽井沢を訪れていた女性からいただいたお菓子。見た目は日本の羊羹のようだが、香りはタイらしくココナツの香り。カラフルな色合いのため、はじめは口に運ぶのを躊躇ったが、芋がベースになっていて甘さも控えめ。とても美味しいお菓子だった。よく見ると、生地は何層にも重ねられていて美しいストライプ模様であることがわかる。銘菓の趣だ。

そんな彼女が軽井沢に滞在している間に、タイではチャオプラヤー川が氾濫し始めた。今から一ヶ月ほど前だったと思う。チャオプラヤー川と言えば、バンコクからアユタヤの遺跡を観に行く為に、オリエンタルホテルの船で移動した思い出の大河である。ニュースでは、ようやく水が引きはじたと報じられてはいるが、実際のところはわからない。

日本人にとって2011年は、人生の記憶に刻まれる年になった。タイ人にとってもそれは同じではないだろうか。未曾有の自然災害だったが、災害の原因の中には私たち人の営みが関与している要素が多々ある。

2011年11月23日水曜日

静寂

雨のように降り続いた落葉松の落葉が終ったようだ。空は急に広くなり、夏の間は昼間でも暗かった通りが明るく、人や車の気配も感じやすくなった。晩秋から、いよいよ冬へのカウントダウンがはじまったのだ。

いま、こうしてブログを書いている部屋からの眺め。

樹木の美しさは、葉っぱという衣装を纏っている時だけじゃないんだ。まずは、”健全なる骨格”が美しさの基本だってことを私に教えてくれる。

先月のアルバムには、艶やかに色づいた葉っぱや木ノ実の写真がたくさん。10月と11月では、暮らしを取り巻く風景がこんなに違っていたのだから驚きだ。

今朝の軽井沢はマイナス5℃近くまで冷え込んだ。地面には霜柱ができ、それが水晶のようにキラキラと光っていたものだから、「今年はどんな冬になるのかな?」と少しばかり緊張した。10回目の冬であっても、やっぱり緊張する本格的な寒さがここにはある。

お知らせ

Bone conduction life 軽井沢おいしい暮らしをご覧いただいている皆様へ

こちらのサイトにブログを引っ越したのも束の間。PCからiPadに替えたのですが、使い始めたBrogPressというブログアプリが突如動かなくなり、ほとんどアップできない状態が続いていました(ブラウザからのアップはiPadだと写真の挿入ができませんでしたし...)。ですが、この度 非常に使いやすいソフトを見つけましたので、これからはコンスタントに日々の暮らしを綴っていけるかと思います。

iPadでGoogle Blogger にアップするならBrogsyがオススメです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

2011年11月21日月曜日

冬の近づき

落ち葉の敷かれた小道を思う存分歩いたら、冬将軍が到来。朝晩はめっきり冷えるようになり、夕方は16:30から薪ストーブを焚きつける毎日だ。しかし、日を重ねるごとに寒さに順応してゆくこの身体が頼もしい。晴れた昼間はセーターを着ているのが辛いほどで、七分袖のカットソー一枚で過ごしてしまうこともある。

落ち葉の中からひょっこりと顔を出したのは、山栗の兄弟。今年の栗は甘く、幾度も食卓に上がった。手間はかかるがその分だけ味わいは贅沢なものとなり、堪能した。栗や胡桃といったナッツ、そして貝・甲殻類を本気で味わおうと思ったら、殻つきに限るのだ。

一年を通して、料理といえば”鋳鉄の鍋”にお世話になりっぱなしの我が家。だが、都会にいた頃は、その良さに気づくことはなかった。慌ただしい時間が、この素晴らしい鍋の欠点ばかりを浮き彫りにしてしまったのだと思う。その欠点とは、プレヒートに時間を要することと、重たいこと、熱が冷めにくいことである。それらは今となっては、すべてが魅力に変わっている。

手作りされた美味なるソーセージを最高の状態で味わうなら、やはり鋳鉄に勝るものはない。

ペンネアラビアータのようなパスタも、最後の一口までが熱々で美味しいのだ。

薪ストーブという優秀なコンロが、冬の間の食卓を一層豊かなものにしてくれる。

2011年10月31日月曜日

北陸の味覚を味わいに

越後湯沢から、特急はくたかに乗って金沢へ。そこから更に足を伸ばして、加賀は山代温泉へと向かった。
時刻は12時少し前。車内でスナックに手をつけなかった理由はここにある。久しぶりの北陸旅はやっぱり寿司からだろう。

評判を聞いて、はじめて入った亀寿司さん。小さなお店だけどセンスが良く、カウンター越しに心地よい緊張感を味わいながらおすすめを一通りいただいてゆく。その後は、地元のネタに舌鼓。今が旬のバイ貝に、何ともいえないコクが後を引くガス海老、そして、締めはズワイガニのメス 香箱蟹だ。

ここ山代温泉は、魯山人が陶芸を学んだことで知られる場所。彼が8ヶ月に渡って滞在していた住まいを訪れてみる。いろは草庵といい、現在は町が管理しているようである。母屋と蔵とを結ぶように増築されたモダンな空間は、よく手入れがされた箱庭を望むにはぴったりで、お茶と和三盆の菓子をそっとサービスしてくれたことも嬉しい。名前の通り庵のある間もあり、加賀の豊かな食材を囲む旦那衆の背中が目にうかぶよう。蔵には、陶芸の師匠である初代 須田精華の繊細な作品や魯山人自身が作陶した皿などが展示されていた。

今宵の宿は白銀屋。ここも魯山人ゆかりの宿であるが、温泉の泉質が素晴らしいことと、料理がすこぶる美味しいことが気に入っている。

翌朝は、部屋の露天風呂でリフレッシュ。加賀を後に、初めての金沢へ向かう。

金沢は大きな街であった。駅からしてこのスケール。

近江町市場では、昨日いただいた北陸のうまいもんがズラリ!ノドクロ、ガス海老、万十貝。アカイカにエテガレイも新鮮で破格だ。珍しい加賀野菜は目にも鮮やか。今は五郎島金時が旬だという。昼食はまた寿司。市場の中の回転寿司だったが、ネタのレベルは軽く築地を超えている。しかも、リーズナブルで言うことなしだ。

いやはや、北陸出身者が東京に少ない理由がわかった気がする。金沢は城下町。昔ながらの武家屋敷が立ち並ぶ長町を歩いてみよう。テナントとして貸している家もあるが、そのほとんどは現在でも住まわれているから、生きた美しさが感じられる。小学校の校舎もステキだが、登下校する子供達が制服を纏っているのも好印象。公立だけど制服、私もそうだったので親近感がわいた。

そんな長町で、いろり草庵でお茶請けにいただいた美味しい菓子と遭遇。試食した途端に、これだ!と思った。うちはまだ若い店なので…と店主は謙遜していたが、素材へのこだわりとこのパッケージのモダンさだ。次の時代を担うのは、伝統の中から生まれた、このような姿をしたものなのかもしれない。

はじめての金沢を私はかなり気に入ってしまったようだ。11月からは本格化に蟹のシーズンに入り、まさに北陸はオンシーズンに入るのだとか。これからも、秋になったら毎年のように北陸の味覚を味わいに出かけてみたい。新幹線の開通も楽しみだ。