2014年7月27日日曜日

今日もどこかで

昨日から、暑さの質がガラリと変わった軽井沢。最高気温は30℃!朝も8時を過ぎれば、強い陽射しが肌をじりじりと焦がしてゆく。日本のあちこちで、人の基礎体温を超える酷暑に見舞われているというから、軽井沢で暑い暑い!などと言うのは贅沢か。しかし、お店などでは午前中からクーラーを入れなければ、この日中の暑さに太刀打ちできないほどだ。クーラーそのものが不要だった避暑地が、避暑地でなくなる危機を感じる。

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陽射しの照りつける間はまるで耐暑訓練のようで、いかにして涼を呼ぶかに奮闘している我が家だが、午後4時をまわれば少し楽に。そして午後7時にもなれば極上の空気が辺りを満たし、22時には窓をひとつふたつと閉めてゆき、これほど暑かった日でも眠る時は長袖と毛布というスタイルだ。たった一日のうちにすべての季節が凝縮しているような荒々しい一日だが、これも標高と、土と水と樹が織りなす恵みだ。これを肝に命じなければいけない。

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軽井沢の夏は楽しい。いつもは静かで小さな町なのに、この時期ばかりは不思議なほど都会の風が吹き、土地の恵みと融合する。今日もどこかでいい音楽が流れ、人々が交流しお互いにとってのいい刺激を受けて一日が幕を閉じてゆく。この町のような都市と地方のいい関係が、南北に長い日本の中にもっとできたらいいのにな。

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わずか一週間前の眺め。薪小屋の前で、トリアシショウマが一際存在感を放って咲いていた。1mを超える高さとこのボリュームは、あたかも最初からあったかに見える。が、これが何にもない地面から、たった二ヶ月ほどで成長したものなのだから凄い。見えないところでエネルギーを蓄えて、満開に咲き、晩秋には跡形もなく消えてゆく。

明日はどんな夏の一日になるだろう。夏の庭が刻々と秋へカウントダウンしていることを、心の片隅に置いて。

2014年7月8日火曜日

僅かな期間の 花模様

ヤマボウシの白がいよいよくすんでくると、山紫陽花やシモツケ、トラノオ、キバナノヤマオダマキやギボウシの花が見頃を迎える。庭が夏の花に包まれるこの時期は、私にとって至福のとき。芽吹きから始まり、一週間に数回・数時間の手入れを惜しまず心掛けてきた、努力の成果が花咲いたときでもある。

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アプローチの植栽は、トラノオや山紫陽花など、もともとこの土地に自生していたものを生かすようにしている。不思議なもので、適度な日当りと風通しを確保してあげるだけで、ホタルブクロなどの魅力的な山野草が次々と自然に芽を出すようになる。鳥や風が運ぶ種子を、大きな掌でしっかりと受け取りつつ守る、そんな豊かな土壌があるからこそだが。

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花屋へ出向かずとも、花材は庭にあるもので充分。この時期は、もたせることより”新鮮さ”を優先させるのもいい。ハウチワカエデとシモツケの投入れ。

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屋外保育の甲斐あってか、我が子は一日の空模様にとても敏感な子になった。雨降る時は家の中で、北陸新幹線を自分のスタイルで走らせたり…。

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明日はもう、今日と同じ眺めはない。夏の庭も子供も、ただ今日という日を走り抜けるだけ。