朝晩は高地らしくきりりと冷え、日中は透き通った空気が辺りを満たす。今年のゴールデンウィークは、辛夷も桜もまだ景色の中に存在しながら、樹々のリアルな芽吹きにも立ち会える、そんなラッキーな幕開け。しかし、春霞とは無縁の冷え込みようだ。朝はマイナス1、2度、日中も10度を超えるくらいなので、5月に入ったとはいえ、実はそれほど温かくはない。こんな時に重宝するのが、カシミヤのカーディガンやダウンのベスト。もちろん、二重の毛布や羽毛布団は軽井沢ではマストアイテム。
借景から目が離せない毎日だが、昨日のデッキからの眺めにはハッとさせられた。
嵐の前のようなグレイがかった雲をバックに、芽吹きはじめたばかりの落葉松が”西日”というスポットライトに照らされる。私には、まるで若者がいままさに荒れた海へと繰り出してゆくように見えてしまったが、落葉樹を人の一生に例えるのは、このような環境に暮らしていると、ごくごく自然なことと思えてくる。
一日に何度も玄関の靴を持ち出して、「外へゆこうよ!」とせがむ我が子。
君も、私たちと同じ。いや、それ以上の”春”を見ているよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿