2013年10月15日火曜日

楽しい紙

素晴らしい秋晴れに恵まれた土曜日、私は駒形克己さんのワークショップに出ていた。駒形さんは、ニューヨークでグラフィックデザイナーとして活躍した後、絵本の制作に着手した方。数々の美しい”紙”の世界はご存知の方も多いと思う。その絵本を作ろうと思い立ったきっかけが、実は娘さんの誕生だったとご本人の口から発せられ、その娘さん(なんともう、25歳に!)や奥様もお手伝いに来ていたから、嬉しくなってしまった。和やかな雰囲気に包まれた会場でのワークショップ、これほど魅惑的なものはない。

三つに折りたたまれた白い紙の上に、赤い三角形がプリントされている。広げて一枚にすれば、三角形の断片があるだけ。これを思い思いのイマジネーションで作品とするという試みだ。与えられた時間は約一時間。参加者の多くは子供とその親たちだ。

テーブルの上には、色紙と、はさみと、のり。それを見るなり、子供たちの手は、瞬く間に動き出した。が、大人たちはまず構想、構想、構想。なんで、いつになっても手が出ないのかしらと思いながら…。

赤い三角形の断片を眺めていたら、私にはなんだかカクテルグラスに見えてきて。赤にはぜひ緑と黒を合わせたいな。そんな風に一度方向が決まったら、手が勝手に動き出すではないか。マティーニとワインを傾ける。これが、日ごと秋色に包まれてゆく今の私の気分なのだろう。

DSC03660

これ以上ないほどにシンプルな教材。

「スタートは皆おなじ。でも、いろいろな答えがある。あっていいと思う。これこそが個性だから」とは駒形さんの言葉。完成された絵本しか手にとったことがなかったけれど、今回は駒形さんのご家族に会えたことで、作品の見方が変わっていくのだろうな。そう思った。

DSC03659

集中力が必要で、終わったらどっと疲れてしまったけど、それ以上に楽しい創作時間。これを機に、子供と楽しめる絵本を幾つか作ってみようと考えている。まだ頭の中には、三角の断片が...。円でもいいかな。

0 件のコメント:

コメントを投稿