どうしても新蕎麦を味わいたくて、土曜日は戸隠まで車を走らせた。信濃町のインターを降りた時点では、町はゴーストタウン。だが、山深い戸隠の杜へさしかかった途端に、どこにも車を停めることができない!という混雑ぶり。奥杜は、先週降ったと見られる雪に包まれ、ただでさえ険しい戸隠の山肌が、雪をつけて更に厳しい表情をしていた。お目当ての蕎麦屋もいっぱいで、ならば先へ行ってみようと、中杜方面へ。そこは宿坊が軒を連ねるエリアで、落ち着いた雰囲気が漂っていた。なんだかいい予感がする。
やはり、美味しいものはあるもので、山の湧き水を使った蕎麦屋を見つけた。口に運ぶと、新蕎麦の濃厚な香りと水の良さがストレートに伝わる。今の時代、いいそば粉を使った蕎麦屋はどこでもあるだろう。しかし、この水には叶わない。
近くには、特産の竹細工の店が何軒があり、独特な模様の美しいざる作りを見ることができる。ざるは、我が家もかれこれ10年近く愛用しているが、根曲がり竹の醸し出す風合いとタフさには惚れ惚れしてしまう。
今回は、左の大きな籠を購入。これからの季節、我が家の玄関ホールは果物や野菜の貯蔵スペースになるので、それらの入れ物として。美味しい食材は、それに見合った器を合わせてあげたい。
戸隠の竹細工に使われる竹は、”根曲がり竹”というもので、戸隠山からいただいてくるのだそうだ。数少ない職人たちは毎年9月から約一ヶ月をかけて、山へ白装束で入るという。ご神体である山とともにある、素朴な暮らし。戸隠の竹細工を眺めていると、質実剛健な、それでいて温もりのあるこの土地の空気を垣間みることができる。
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