この時期は、いつも何かに急かされるよう毎日を送る我が家だったが、今年は違う。なぜだろう?と思ったら、年賀状を早めに作り宛名書きを書き終え(ここ数年はあえて手書きにしている)、既に投函していることに気がついた。たったこれだけのことで、年の瀬をゆたかな気持ちで送ることができるなんて…。これからも、今年のような師走を送れるよう心掛けたい。
時刻は16時半。薪ストーブを焚きつけて、揺らめく炎と窓の外に広がる景色を交互に見ている。手には、12月25日に届いた彫刻家 故 船山滋生展の図録。芸術村にある梅野記念絵画館を訪れた、初夏の日に注文しておいたものだ。お待たせしたとは言え、クリスマス当日に届くよう送ってくれた、粋な計らいがすてきだ。
展覧会へ足を運んだその日、船山さんの彫刻やデッサンを目の当たりにした私は、物事には”基礎”が最も重要なことを痛切に感じ、教えられるとともに、今から10年前の2003年に船山さんが書かれたという文章が、それ自体も作品のように思えて、震えるような感動を覚えたのだった。琴線に触れるとは、もしかすると、こういうことなのかもしれない。
今日という日は、2013年という一年を、これまでの人生を振り返るに相応しい、静かな湖面のような一日だった。
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