身も心も軽くなるような、初夏の陽気が続いている。後から咲き出した桜が呆気ないほどの早さで散ってしまい、春を告げた辛夷の白い花がまだ残っている。こんな春の風景、はじめて。
我が家のシンボルツリーであるハルニレが芽吹き、朝から代わる代わる鳥たちが訪れている。庭には、微かな風に揺れる枝と、そうでない枝(例えばヤマボウシ)ものをしつらえてある。風の存在をさりげなく感じられるようにと。
風薫る5月とはよく言ったもので、この時期は特に再生したばかりの植物が発する、あのなんとも言えない香りがたまらない。
家を取り囲む小さな庭の中でさえ、植物は絶妙な調和をとりながら生きている。花とて、誰の為に咲くものではないことを知る。またこうして巡ってきた春に、自らの役目を重ねて。
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