2014年11月19日水曜日

冬がこちらへ

11月も終盤にさしかかると、信州のあちこちで今年最後の収穫祭が開かれる。一年を締めくくるのは12月ではなく、11月。これが、農作物の産地であり避暑地の素顔。

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春に続いて訪れた安藤桃福センターでは、色づいた木々に包まれたツリーハウスを眺めながら、地物の米や芋を味わった。薄らと雪のついた浅間山からの吹き下ろしは、小諸と言えどもとても冷たい。

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子供の通う幼稚園でも、昨日は家族を招いての餅つきが行われた。春は田んぼの代掻きから始まり田植え。秋の稲刈りやはざかけ、脱穀作業と子供たちみんなが関わってきた集大成でもある。

「これから”きなこ”のお餅を作るから、まずはみんなで”さや”から大豆を取り出してください。その後は豆を炒って、すり鉢で擦るよ」

気づいたら、私は豆を炒る係となっていた。冬空の下で煙に燻されながら、大きな鉄鍋をふるう作業はなかなかどうして楽しいではないか。出来上がったきなこのお餅は香ばしくてクリスピーで、人生で一番美味しい!と思えるくらい忘れられない味に。食べ物を作る側に一度でもまわったら、米の一粒も残せなくなる。この感覚を大事にしたい。

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我が家の食卓も冬仕様に衣替え。ご飯茶碗、冬はきっと土ものが良いのだろうけど、どうも私はつるりとした肌の磁器が好きで...。九谷の若手作家が、金沢の風物詩 雪輪を描いたものがお気に入り。この冬からは今まで眺めるばかりだった骨董の漆器も、どんどん使っていこうと思っている。

さぁ、明日もきっと氷点下の朝。今宵も煌めく星空を仰ぎながら、今日という日を締めくくる。

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