どんなに馴染みのある風景でも、見落としていることは多い。この時期なら、花粉の多さに驚かされるミズキと、藤の樹の存在だ。
山の樹が何であるかを知りたければ、花の開花に立ち合うのが一番。
様々な樹の枝に絡み付いて、どんどん成長してゆく藤。いま、軽井沢のいたるところで、およそ想像もつかないような場所で、この美しすぎる藤の花に出会うことができる。
私の花の師匠である井出美鳳先生が、いつかこんなことを言っていた。「今となっては藤蔓のある山は遺産だ」と。華道の世界において、藤蔓ほど魅力的な素材はないのだ。
先生が八ヶ岳高原ロッジの生け込みをはじめて、今年で30年。それを記念したインスタレーションが日曜日まで開催されている。
先生の永遠のテーマ ”風の音”を竹で表現したもの。スケールの大きさにびっくり!
白樺林に、藤蔓と白樺。
カンボク、ユキヤナギ、ハウチワカエデ。どこの庭にもあるような樹々もここまで魅力的になる。
ロッジのすべてが山の樹と花に彩られる、夢のような一週間。ちょっと不便な場所ですが、興味のある方はぜひお出かけください。
人の手が加えられて花は、その人になる。そんなことを体感した一日でした。
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