梅雨明けの便りを聞いて、小淵沢まで足を伸ばした土曜日。
八ヶ岳周辺の魅力は、なんといっても眺望。アップダウンの激しいドライブを思いきり楽しむには、四駆が必須だ。オーナーのブルジョワ的な世界観に圧倒されるカレーの名店 アフガンはお気に入りの場所。もうずいぶんと古い建物だが、それがこの店の魅力を一層引き立てているような気がする。混雑するランチ時間をずらしたこともあり、子連れだったが特等席に案内してくれた。
オーダーはもちろん、ベーコンエッグカレー。大皿に収まりきらないほどの大きさに圧倒される。ここに深みのあるルーをかけてと。食べるのは数年ぶりのはず。だが不思議だ。たった一口で、その当時に起こったいろいろなことを思い出すことができた。
お腹が満たされたら、すぐ上の八ヶ岳倶楽部へ。コアジサイの咲く時期に訪れようと、春のうちから決めていた。
山野草を扱う中庭(という売り場)もモダンにリニューアル。実は私、家の庭作りに取りかかろうとした2004年ごろ、庭の作り方が皆目わからない状態で。「これはもう、自分にとってここが一番!と感じる場所へ行き、何かを感じ取ってこないと」と思い、ここでの住み込み修行に踏み切ったことがあった。
私がいた時以上に、山野草のバリエーションとセンスの良い寄せ植えが増えていることが嬉しい。なんといっても八ヶ岳倶楽部の魅力は、さりげなく人の手が加えられた(このさじ加減が絶妙)美しさだから。
ステージの草屋根は、ちょうど私がいた頃に施行されたもの。すごいな、ここまで周囲と馴染むなんて。
最後は小淵沢へ。リゾナーレのブックス&カフェにワインの試飲コーナーが出来たというので、密かに楽しみにしていたのだ。小淵沢は、信州と甲州にまたがる日本ワインの聖地と言っていい場所で、ホテルではそれらのワインと食事のマリアージュが楽しめる。そして、数年前からはリゾナーレも女性醸造家を招いて葡萄栽培に着手。収穫した葡萄で、高品質なワインが醸造されるようになった。特にメルロー、繊細で香りがすてき。
このホテルに、日本のワインを導入してゆくことを仕事とさせていただいた時期があり、それぞれのラベルを見ていたら、ワイナリーで働く人の顔とその時に交わした会話が思い出された。
こうして思い返すと、私はいい時代に、貴重な仕事をいただいて、なんと本物を見る機会に恵まれていたことか。これからは、自分自身の経験を生かして、”いい時間”を作るお手伝いをしてゆきたいと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿