ここのところ早起きが続いている。まず部屋を暖め、日中が慌ただしくならないよう家事をこなしてゆくが、朝焼けの瞬間だけは何もせずにただ、空を眺めることにしている。
今朝はこの色、この眺め。ただ一つとして同じ風景はない。
自宅近くには、うさぎの足跡。先週あたりから、毎日のようにキジのメスが庭を訪れるようになった。それくらい、いまこの町は車通りも少なく静寂に包まれているってことかな。

極寒の軽井沢はまさに山の風情だが、東京から新幹線で一時間たらずでこの環境。私はたまらなく気に入っている。
ここのところ早起きが続いている。まず部屋を暖め、日中が慌ただしくならないよう家事をこなしてゆくが、朝焼けの瞬間だけは何もせずにただ、空を眺めることにしている。
今朝はこの色、この眺め。ただ一つとして同じ風景はない。
自宅近くには、うさぎの足跡。先週あたりから、毎日のようにキジのメスが庭を訪れるようになった。それくらい、いまこの町は車通りも少なく静寂に包まれているってことかな。

極寒の軽井沢はまさに山の風情だが、東京から新幹線で一時間たらずでこの環境。私はたまらなく気に入っている。
昨夜は、日暮れ前からゾクゾクするような寒さで、薪ストーブをいつにも増して”本気”で焚いた。
そうして迎えた朝である。時刻は、6時半。既に空は淡いブルーをしていて再び眠ってしまうには惜しい明るさ。どんな寒さだろう?と玄関の扉を開けてみる。すると、粉砂糖のようなさらっさらの雪が風に舞っていた。気温はマイナス10℃。たちまち指先の感覚がなくなる、目の覚めるような寒さである。だがしかし、この冷え込みだからこその、いい雪がある。
旦那さんは、パウダースノーと戯れたいと、スキー板を積んでまだ暗い明け方に家を出ていた。ちょっと羨ましいなと思うが、短い人生、子供と思いのままに対峙できる、今という瞬間も大事にしないとね。
7時をまわった。ベッドルームからぐずることもなく静かに這い出して、リビングの私の元まで小走りでやってくる我が子。一年前はまだお腹の中にいたのに、ほんとうに、子供の成長には驚かされる。私自身もだいぶ気持ちに余裕が出てきて、朝と夕に繰り広げられる、美しすぎる空色の変化を待って迎えるようになってきた。
昨日は、少し寒さが緩んで、春のような湿った雪が降った。極寒の静けさから、一転。屋根にぴたりと張りついて微動だにしなかった根雪や、そこかしこにできたつららから水が勢いよく滴り落ち、様々な鳥たちの歓喜のさえずりが一面に広がった。”水の音”は即ち、いのちの音だ。
空を仰ぐと、まるで秋のような雲が流れていたので驚いたが、そうか、季節の分かれ目はもうすぐそこまできているのだ。
昨年の夏頃から、頻繁に通うようになった一軒のレストランがある。春ごろ、北軽から移転してきた店だ。しかし、昔から北軽へ行く機会の少なかった私は、看板にある店の名を見ても?ピンとこない。
たしか、初めて訪れたのは真夏の日だった。お昼の開店時間とともに、予約をして楽しみにやってきた常連さんで賑わう店内。それを見て、後日にしようと思ったのだが、今日を逃すと次回はいつになるかわからない。声をかけ、一人なら何とかOKとなり、運良く席についたのだった。その日、素材選びと味わいから、確かなプロの技を垣間見た私は、以来すっかりファンに。店の名は、Le Bon Vivant。吉祥寺店の暖簾分けで北軽キュイジーヌと言えば、大抵の人は知っているのかもしれない。
いい仕事って、つまりは日々”使命感”を持って臨んでいるかどうか?だと思う。そこから生まれたものは、とても爽やかで。これって、どんな仕事にも言えますね。



ある日のシェフおまかせコース
前菜
鰯のガレット 焦がしバターソース ラタトゥイユ添え
豚の香草焼き スープ仕立て
紅玉のタルトタタン
エスプレッソ
十五日の小正月が終わると、注連飾りや門松が町から次々と姿を消してゆく。こうなると、いよいよ厳冬期に突入だ。先日の、30センチを超える大雪で、軽井沢は一瞬にしておとぎの国へと変貌。夜のうちからマイナス10℃を超える本格的な冷え込みで、緊張感が走る日々だ。
落葉樹は、裸の枝の所々に綿飴のような雪の固まりを抱え、それが夜になると月明かりに照らされる。ただそれだけでも幻想的な夜景に、星の煌めきが加わるのだ。あぁ、なんという美しさ。昨夜はしばし、寒さを忘れた。
今日は、日中の最高気温がなんとマイナス4℃!なのだとか。目の覚めるような冬晴れで、大人だけなら、これほど気持ちのよい陽気はないと言える。しかし、小さな子供相手ではそうもいかない。水の一切消えた眺めというものは、猛烈な”乾燥”との戦い。ここにきて私もぐっと体力を落としてしまい、子供のひいた風邪が簡単にうつり、なかなか完治することができずにいる。皆さまも、喉の乾燥にはご用心を。
星のやでいただいた、お餅などをキッチンの一角に飾って過ごしたお正月。小さな子供がいると、床には何も置けませぬ。
玄関ホールは、すっきり。お正月が明けてからは、南で咲いた花でゲストをお出迎え。
澄み渡る、青空。銀色に輝くこぶしの冬芽に目を奪われる。
雪に興味津々の我が子。私より先にダイヤモンドダストに気づいた朝もある。今日はゴミを食べないでね。
新しい年を、星のやで迎えた。自宅から僅か5分の距離にあるが、そこは別世界。大晦日の朝に降り積もった新鮮な雪が、谷の集落を白く染めていた。
雪景色は不思議だ。本来は寒いはずなのに、人の温もりがそこかしこに感じられる。夕暮れのはじまりとともに部屋を出て、集いの館と名付けられた建物へと向かった。入ってすぐ場所がラウンジになっていて、ライブラリーカフェになっている。星のやを訪れたのは今回が2度目だが、そのスケールの大きさといい、改めて真にラグジュアリーな空間だなと思った。
香り高いハーブティーを片手に、刻々と変化する空の色を眺めていたら、2012年に起こった様々な出来事が走馬灯のように思い出された。大変な日々だったにも関わらず、思い出したのは嬉しくて楽しかったことばかり。
夕食を終えて温かな建物から一歩外へ出ると、真冬の空気が辺り一面を包み込んでいた。夜空には星。いや、ただ一言で星というには惜しいほどの、無数の星が煌めいていた。軽井沢は、天に近い場所なのだ。
年末から年始にかけての星のやは、イヴェントが盛りだくさん。みんなでカウントダウンをしたら、鏡開き。翌朝は初湯や祝い膳からはじまって餅つきや茶屋遊び、書き初めと、日本らしい新年の過ごし方が楽しめる。これに付き合わされる乳児は、たまったものではないかもしれないが…。
さぁ、2013年はどんな一年になるだろう。忙しい中にも、確かな体験と成長が得られますように。日々精進して、暮らしを楽しんでゆきたいと思う。