2013年9月23日月曜日

古きよきものの居心地

三連休最終日の今日(秋分の日)は、あいにくの冷たい雨となってしまったが、土日のなんと素晴らしい秋晴れだったこと。一年を通して暮らしていると、信州を旅するならこの季節がいちばんかもしれないと思えてくる。初秋は台風こそあるが、それ以外はわりと天候が安定しているし、景色の中に”緑”が豊富(これ、写真におさめる時にはとても大事なことかも)。そして、何よりも甘みを増した最後の高原野菜や果物をお土産にすることができるからだ。

新しいお店が続々とオープンする軽井沢だけど、古い建物を生かしたお店も静かに増えてきている。かまど炊きのかるがも米を美しいわっぱで出してくれる、塩沢のMIKURIYAは、手作りの甘味も素晴らしい。

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古いままではなく、現代人が使いやすいようにアレンジされた空間は、とても居心地がよかった。広い庭には栗の木があり、子供は初めての栗拾いを楽しんだ様子。

こちらは海野宿のお気に入り。ガラス工房&カフェのだいだい。

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日よけの朝顔、風に揺れる風鈴とかき氷のサインが、終わりゆく夏を思わせて。西日に照らされた白壁と雲一つない青空が綺麗。海野宿のメインストリートは、土日だけでも歩行者天国になったなら、どんなに素敵だろうといつも感じる。車の往来が多く危なくて、のんびりと歩けないのがネック。

2013年9月20日金曜日

続く 秋晴れ

今日も素晴らしい秋晴れ!最低気温は10度、最高気温は24度と寒暖の差があり、一日に何度も着替える必要に迫られるが、重ね着のおしゃれほど楽しいものはない。からりとした空気で洗濯物が一日でしっかりと乾いてくれることも味方する。

9月は連休も多く、まだまだ観光客で賑わう軽井沢だが、秋のしっとりとした雰囲気が少しずつ漂いはじめたような気がする。そんななか、昨日は山の寄せ植えのオーダーをいただき、さっそく夕方から寄せ植えにとりかかった。いろいろなものが混在する美しさや楽しさを、華道の世界で言う”混ぜ挿し”で表現してみたい。

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作りたてはこんな感じ。移植のダメージで少し元気はないが、そこは厳冬期をこの地で生き抜いた庭の山木たちだ。エントランスで、秋色に染まってゆく葉も楽しんでもらいたいと思う。

一息ついて顔を上げると、赤とんぼの姿が。キラキラと輝く羽が印象的だ。

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この時期の日差しと乾いた空気は、我が家の大切な燃料 薪にとっても好都合。日本の米どころからは新米の便りも届く頃。いろいろな意味で日本は実りの秋を迎える。

先日のブログで、美しい瑠璃色の実として紹介した植物は山葡萄ではなく、”野葡萄”というものだった。

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お隣さんの庭にあった山葡萄はこちら。食べてみると、小粒で種が多く、渋みと酸味・甘みのバランスがよくて、ちょっと感動!個性的なワインになるのも頷ける。

2013年9月18日水曜日

この花が咲くと

家々によって、秋を象徴するような花が咲き始めるころ。我が家にとってそれは、秋明菊であり、サラシナショウマだ。

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夏の間は木陰だった場所が、この時期になると一日に数時間だけ、裸眼では見つめられないような強い日差しに包まれる。秋明菊は花びらを広げた姿もいいが、蕾がまた、とっても愛らしい。

そして、サラシナショウマ。シックな佇まいの”山の寄せ植え”に純白が加わって、華やかになってきた。

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この花が種になったら、いよいよ紅葉。追いかけるものがあると、一日はあっという間に過ぎてゆく。

2013年9月12日木曜日

小さな変化に

外にいることが大好きな我が子。今日は、いつもの枝集めに”落ち葉”拾いが加わった。

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昨日はご近所さんのBBQに飛び入り参加したから、その時に頬張った串焼きを彼なりに再現したのかもしれない。

身長が1mにも満たない子供たちの目線に、教えられることが多い毎日。小さな変化にとても敏感で、こうしてまたひとつ、日本の四季を感じ取っていくんだね。         

2013年9月9日月曜日

午後4時の光

しばらく続いた雨があがり、今日は待ちに待った秋晴れに。室内干しですっきりとしなかった衣類が、シーツが、次々と乾いてゆく。あー、たったこれだけのことが、たまらなく嬉しい。

忙しく家事を進めて、ホッと一息ついたら午後4時をまわっていた。この時期の西日はたまらなく綺麗だ。

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石垣で育つギボウシの葉脈を、ここまで鮮明に映し出す光と陰。

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咲いてから、ずいぶん長いあいだ私たちの目を楽しませてくれたレンゲショウマも、これで最後に。

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足下には、ヤマボウシの実。一日に何度かヒヨドリが訪れて、緑の中の紅一点を啄んでいく。どうやら今週は秋晴れが約束されるようで、からりとした空気を着物の陰干しや、衣替え、干しものづくりにあてていけそうだ。薪ストーブ暮らしがスタートする前の、静かなひとときを楽しみたい。

2013年9月7日土曜日

花と蜂のいい関係

また、早朝の高峰高原へやってきた。お目当ては○○なのだが、これだけは内緒。日中の気温が20度を切るようになった軽井沢だが、更に1000mも標高の高い此処の、なんとひんやりとしたこと。薄手のフリースを着てちょうどいいくらいで、素足やサンダルの季節はさすがに終わったのだなと感じる。

もう山野草の見頃も過ぎただろう。そう思っていたのだが、行ってみて驚いた。マツムシソウもアサマフウロもまだまだ健在なのだ。今年はもう少しの間、高山植物が鑑賞できそう。しかし、この時期に咲く花は、モテモテだ。蜂や蝶がひっきりなしに立ち寄っている。

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天然の落葉松林の足下。グランドカヴァーは、強いものだけが生き残る厳しい世界だ。

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蜂たちのお陰で、今年もまた沢山の実が種ができていた。これこそが、連綿と繰り返される自然界の営み。山野草は数あれど、”同じ種類の花はどれも同じ”と、私たちは知らず知らずのうちに決めつけている気がする。しかし、きっと花も人と同じ。そこには様々な個性が存在していて、上手にバランスを取りながら毎日を生きているに違いない。

地面に種を落とし、枯れゆく植物の姿は終わりではなく、はじまり。来年の夏も、君たちの子が咲かせる花に会いにゆくよ。

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2013年9月5日木曜日

赤い実 見つけた

雨が降ったり、やんだり。しっとりと濡れたデッキの先に広がる緑は艶やかで、リビングから眺めていると時が止まってしまったかのようだ。

木々に囲まれた軽井沢が夕日に照らされるのは(見通しの良い場所を除いて)、ほんの僅かな時間。西の空から届く”光の矢”を逃すまいと外へ出る。眩い光の中で輝いていたのは、カンボクの赤い実。実を見るのは今日が初めてだと思う。

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庭の木が実をつける。それも初めてとなれば、ちょっと感動ものだ。

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こちらはトクサとミズヒキ。緑と赤の対照的な美の世界が、秋の訪れを告げている。

2013年9月3日火曜日

その日は突然やってきた

ニシキギに絡みついた山葡萄の実が、いよいよ瑠璃色に色づき始めたなと思っていたら、9月に入っていた。

9月1日 日曜日。もう暑さだけではない、初秋のいろいろな要素が複雑に混ざり合う軽井沢の残暑は、人々をアートへと誘うような気がする。旦那さんは、昨夜から甲斐駒ケ岳へ登山に出掛けていて留守。母と子の休日は無理をしないことが一番と思っているので、実にのんびりとしたものだ。子供を車に乗せ、軽食を買ったら、お気に入りのセゾン現代美術館へ。駐車場がいっぱいで、驚いた。

現代美術はどうも…という人は多い。だが、この美術館がコレクションしている作品は美術界が大きく変化した二十世紀、それも二十世記後半に的が絞られているから理解がしやすいと思う。今から20年前にデザインを勉強した私にとっては、教科書の中から飛び出したような作品ばかりが並ぶ、夢のような空間だ。もう数えきれないほど足を運んでいるが、その度に”今日はこの一点だけを見つめよう”という気持ちで、じっくりと作品と向き合うことにしている。こんな贅沢ができるのもここに暮らしているからこそ。今日は、安田 侃さん。

山の天気は変わりやすく、日差しが注がれた時と雲に覆われた時とでは、同じ庭でもまったく違う表情を見せる。今日は、小川に咲く存在感たっぷりの黄色い花の名を思い出した。オタカラコウだ。自然と増えたのか、はたまた人の手が加えられているのか?それさえも曖昧な、この庭の懐の広さには魅了されるばかり。

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12時をまわって、旦那さんからの下山連絡が気になりだした。家に戻るかどうか迷っているところへ、タイミング良くメールが。予想外の雨に見舞われて、甲斐駒ケ岳〜鳳凰三山〜夜叉神峠(なんと1dayで)へ降りる予定だったところを、黒戸尾根の往復で終了させたという。これだけでも本格的な登山である。子供もリラックスしているので、このまま野辺山駅まで迎えに行くことにする。軽井沢から野辺山までは約一時間の距離。その間、チャイルドシートに座った子供は窓の外に広がる景色や車を眺め、驚きがある度に独り言を発していた。私は彼のお話のなかに何度も加わりたいと思ったが、それももう遠い話ではないだろう。

旦那さんをピックアップするなり、ワイパーもきかないような横殴りの雨に遭遇した。暗雲たちこめる帰路、軽井沢もきっと土砂降りで、デッキに出したままの洗濯物はぐっしょりと濡れているに違いないと思っていた。が、幸運の女神はいた。自宅につくと、雨はなんとかもちこたえたようで、洗濯物も無事だった。

一息ついて、いつもと違うあることに気がついた。母乳である。今日は朝から一度も欲しがらずに、夜を迎えていることに。彼は母乳を自ずと断ち始めていたのだ。

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あれから3日が経過。私の母乳育児は終わった。

これまで、食べることも、歩くことも、遊ぶことも、うちの子なりのスタイルとスピードで良いのだと自分に言い聞かせながら、見守ってきたつもりだ。そうして迎えた、ひとつの成長。これからも、待つことや最低限の手助けを心掛けて、子供との信頼関係を築いていけたらな。そんな風に思っている。