2011年8月15日月曜日

清々しい朝に

高地らしい、ひんやりとした風が流れる朝を迎えた。葉と葉の間を優雅に舞う蝶も気持ちがよさそうだ。




家の近くには楓の天井が広がる素敵な通りがある。私たちは、いつでも、どんな時でも数年先、いや数十年先の姿を創造してゆきたいものだ。美しく、何度でも訪れたいと思えるような…。そしてそこに暮らす者にも心地よい景観は、先人の残した宝だけではない。一人ひとりの思いによって、素敵な通りは無限に増やすことができると私は信じている。




2011年8月8日月曜日

空 荒々しく

秋の気配が漂ったのも束の間。ここ数日は、一日のうちの天気がびっくりするほど変わりやすくなった。真夏の日差しが照りつけたかと思うと、積乱雲がモクモクとせり出して突然激しい雷雨になる。その激しさは、インターネット回線や電化製品のコンセントを抜いて置かねばと感じるほどだ。




お盆休みと言えば、手ぶらで散歩に出たり、洗濯物を外へ出しっぱなしのまま出掛けるのが、常。ゲリラ豪雨や猛暑、酷暑は今に始まったことではないけれど、短い夏に許された気軽さが遠ざかってゆくことが寂しい。低気圧に敏感になった頭痛の回数もグッと増え、その日の体調までもが今では空模様に左右される。




一見、空き家になったかに見えた玄関のリースだったが、今日はそこから鳥の鳴き声が聞こえてきたから驚いた。見ればそこにはキビタキの雛が。その体は私の想像をはるかに超えて、黄色く縁取られた大きな嘴とまるで寝起きのようなボサボサのヘアスタイルを無視すれば、子供とは思えない姿。リースから身を乗り出して辺りをキョロキョロ。どうやら、母の姿を探しているようだ。キイキイとどんなに鳴いても母は来ない。これが自然界。これが、野鳥の子育てなのだった。

2011年8月7日日曜日

百合の香り

石垣から道路に身を乗り出すようにして花開いた、我が家の百合。道行く人の誰もが、この花の前で立ち止まる。凛とした姿と甘い香りに魅了されてしまうようだ。

玄関へと続く石畳の傍には、マルバの木を植えている。ハート形の葉っぱが愛らしいだけでなく、その葉がほんのりと紅く色づいてくるから楽しい。日本の庭にはぜひ落葉樹を。四季の移ろいを的確に伝えてくれるから。

キビタキの巣立ちは早いものだ。鮮やかな雄も加わって忙しく子育てが始まったかと思っていたら、急にリースが元の飾りのように静かになった。ちょっと寂しいような、嬉しいような。子供を育てるって、こんなことなのかもしれません。

2011年7月31日日曜日

シンプルがおいしい

抜けるような青空は何日ぶりだろう。デッキが乾くタイミングに合わせて、溜まっていた衣類の洗濯を始めた。洗濯物が乾いてゆく、そんな当たり前のことが今日はとても嬉しい。

地物の食材が肩を並べる我が家の食卓。野菜も果物も、シンプルに味わうことにしている。素揚げした丸茄子と新ショウガには醤油を回しかけるだけ。




痩せた土地を味方につけて逞しく実る歯ごたえのあるブルーベリーは、今だけの味覚。たらふく生で食べたら、こんな風にミルクセーキにしても。いやはや、なんという贅沢。



秋の気配

一足早く別荘入りをしていた大人の中に、夏休みを迎えた子供達が加わってゆく。7月最後の週末は、みんなが集まる大切な日。そんな日の夜に、軽井沢は停電した。昨夜のことだ。時刻は夕食の準備にとりかかる18時少し前で、「停電はうちだけかしら?」と不安になったご近所さんが、ゾロゾロと私道に出て来ていた。私も少々慌てたが、そこはクライミングで培った野生本能が目を覚ます。まだ日が長いことが幸い。冷蔵庫の食材を確認した後、ガスコンロをデッキのテーブルに出して、お湯を沸かし、今夜の夕食作りにとりかかった。

メニューは、アルファ米の五目ご飯(これが、山用とは思えぬ美味しさ)とフライパンで作る牛丼。19時頃には食べ終わり、肌寒くなってきたのでリビングでお茶にしようと思っていたところで通電。今回は一時間半の停電で済んだからよかったが、これが夜通しだったら大ブーイングだったに違いない。しかし、はじめからBBQを予定していたご家族は、ちょっとしたサバイバルゲームが楽しめたかも。これも、非日常の愉しみと言える。





今年は梅雨明けが早かったが、どうもここにきてパッとしない空模様が続いている。気温も低く、1000mにいるというより、1500mの高地に滞在している感覚だ。早くも赤く色づきはじめた庭のヤマボウシ。



2011年7月29日金曜日

キビタキの雛が誕生

玄関ドアの上に飾ったリースがキビタキの巣になって数週間が経つ。そこでは雌が休むことなく卵を抱いているようだった。キビタキは一夫多妻の鳥。色鮮やかな雄が様子を見に来るのは毎日ではなく、夕方になって雌だけが巣を飛び出してパッと食事を済ませる姿を何度も目にした。たった一人で、一日じゅう卵を抱くことは、果たしてどんな気持ちだろうか。私はそこに、母親としての強さを感じずにはいられない。




今日も、雄は来ていない。
朝、デッキでお茶を飲んでいると、リースのあたりから鳥の鳴き声が聞こえてきた。一度きりの、何かの合図のようだった。
そして、午後の2時、リースから身を乗り出した雌の姿と共に雛の小さな声が私の耳に届いた。キビタキの雄よ、どこにいる?今日の夕方は絶対に立ち寄るのだぞ。

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