2014年5月17日土曜日

山のかおり

一日の気温差が20℃!という寒暖の差が澄んだ空気を生み、高地の鮮烈な光が新緑を一層輝かせている。窓の先に広がる景色は、絵画を軽く飛び超え、うっとりするほどの美しさだ。人が少しだけ手を加えた風景は、自然のままの姿より親近感があるためか、どこかやさしく見える。

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ここはいつしか、”二輪草の谷”という名がついた場所。

日中の暖かさが、軽井沢のいたるところに自生しているウワミズザクラの開花を後押し。窓を開けると、北の庭で満開に咲くこの山桜の香りが部屋いっぱいに広がる。

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子供の通う幼稚園にも変化が。敷地内には山桜が沢山自生していることがわかり、桜の花びらでピンク色に染まった地面を駆け回る子供たちが、ちょっと羨ましい。抜けるような青空の下、お手製の雑巾が陽射しをいっぱい浴びていた。

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2014年5月13日火曜日

静かな湖畔で...

ゴールデンウィーク後半の週末を、奥日光で過ごしてきた。八ッ場ダム建設の進む長野原町の辺りはちょうど芽吹きのラッシュ。忙しく流れる車窓からの眺めにハッとさせられ、記憶に奥底にとどめられるものなら…と何度思ったことか。高台に道路やトンネルが誕生したことで、今まで出合うことのなかった未知の領域に、足を踏み入れることができたのだ。果たしてこれが良いことか、悪いことかはわからない。が、天空の静かな暮らしを垣間見る。ただそれだけで、私には充分刺激的だった。

吹割の滝〜尾瀬(片品村)までは新緑が作り出す渓谷美にうっとり。風に揺れる山桜や山吹が、風景に色を添えていた。奥日光 中禅寺湖へ続く峠道には、この時期になってもまだたっぷりと雪が残っていて、丸沼ではスキーを楽しんでいる方も多かった。昔から、滝のあるところが観光地として栄えてゆく。これって、世界共通かもしれない。

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中禅寺湖畔に佇む、イタリア大使館の別荘跡地が公園になっているというので、ここで子供の”走りたい”欲求を満たすことにした。天気は小雨まじりの曇り。それがいっそう、広い湖を神秘的なものにしていた。

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別荘の設計は、アントニン・レーモンド。建築を”総合芸術”ととらえ、建物の内と外。そして、周囲の環境との調和を設計理念として掲げたことでも有名だ。その地方、地域特有の素材を積極的に利用し、間口いっぱいに広がる広縁から湖の眺望を存分に享受。どこかモダンで温かみのあるデザインに、世の建築家が魅せられてしまうのも頷ける。

私はこの日まで、中禅寺湖畔が避暑地であった歴史を知らないでいた。標高が1000mを超える高地であり、どことなく軽井沢に似ているような気もしたが、個人の別荘が林立するような雰囲気でもない。男体山の噴火活動によって劇的に地形を変え、湖や滝・草原や湿原(戦場ヶ原)が小宇宙を作っているエリアである。今まで日光と言えば、家康の眠る東照宮しか思い浮かばなかったが、中禅寺湖や男体山+湯元までを総称する”奥日光”は動植物の宝庫であった。これからは時間をかけて、その魅力に触れていきたいと思う。

また、中禅寺湖は水深が最高で163mもあり、マス釣りの聖地であることも知った。湖畔には、明治初期に欧米の外交官たちが余暇を過ごしたボートハウス(復元)も建っていて、当時の雰囲気に浸ることもできる。

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今宵の宿は、宮大工の技が光る畳敷きの和空間。

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地元の大谷石で仕上げる栃木牛のステーキや、料理長による創作椀を堪能した。

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客室の洗面コーナーで見た壁面。同じ面にコンセントを配さない、そのこだわりに感動!

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子供用にと持って来てくれた浴衣だが、残念!すぐにはだけてしまうので、一度も袖を通すことはなかった。

歳を重ねてくると、不思議。いつしか自国の文化に触れることが愉しみになっている。

 

 

2014年5月10日土曜日

一年に一度

奥日光で休暇を楽しんだ帰り道の尾瀬で、山から届いたばかりの山菜を見つけた。

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旅の疲れは、いったい何処へ行ってしまったというのか。その日のうちに食べたい気持ちでいっぱいになり、コシアブラは頑張って天ぷらに。私が自宅で天ぷら料理をするのは、年に一度だけ!それがこの日になった。

ワラビは灰汁抜きをした後、おひたしに。飛魚で出汁をとり、繊細なワラビ本来の風味を損なわないよう調理した。

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山菜は、植物の芽吹きの瞬間をとらえたようなもの。これほど贅沢な山の野菜は他に類を見ない。標高1000mの軽井沢にも、ふきのとうに次ぐ山菜(たらの芽)がそろそろお目見え。春っていいな。

2014年5月4日日曜日

薫風

身も心も軽くなるような、初夏の陽気が続いている。後から咲き出した桜が呆気ないほどの早さで散ってしまい、春を告げた辛夷の白い花がまだ残っている。こんな春の風景、はじめて。

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我が家のシンボルツリーであるハルニレが芽吹き、朝から代わる代わる鳥たちが訪れている。庭には、微かな風に揺れる枝と、そうでない枝(例えばヤマボウシ)ものをしつらえてある。風の存在をさりげなく感じられるようにと。

風薫る5月とはよく言ったもので、この時期は特に再生したばかりの植物が発する、あのなんとも言えない香りがたまらない。

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家を取り囲む小さな庭の中でさえ、植物は絶妙な調和をとりながら生きている。花とて、誰の為に咲くものではないことを知る。またこうして巡ってきた春に、自らの役目を重ねて。

2014年4月30日水曜日

雨にも負けず

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キッチンで洗い物をしながら、裏庭で咲く辛夷の花弁に、雨のなか登園した我が子の姿を重ねていた。今日は朝から雨が強く降り気温も低く、花冷えの一日。

ようやく見頃を迎えた軽井沢の桜だが、まだ咲き始めだったことが幸い。明日から天気は回復!ゴールデンウィークの後半は、きっと満開の状態でゲストを迎えてくれることと思う。

今日は入園以来初めての、まとまった雨。降園時間に迎えにきた親は皆、タオルを片手に不安を隠せない様子だ。が、どうだろう。子供たちは”雨の日にしかできない”水遊びを満喫し、泥まみれに。自信さえ見え隠れする充実した表情をしているではないか。これからは、「今日は天気が悪いから家の中で…」という大人の言い訳は通じなくなりそうだ。

2014年4月25日金曜日

美しすぎる山野草

昨日は、所用で友人の家へ。乾いた落ち葉がグランドカヴァーとなった庭は、春の日差しを浴びてぬくぬくとした暖かさ。このふかふかの布団の下で、主の愛する山野草たちがさぞ深い眠りについているのかと思いきや、いたいた。ここに、あそこに、足下に!圧倒的な美しさで、私を魅了しながら…。

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山野草の中でも、群を抜く美しさ。それが、この竜田草(タツタソウ)ではないだろうか。原産地は朝鮮半島北部や中国東北部、アムール地方など。日露戦争当時、軍艦龍田の乗務員がこの花を持ち帰ったことから、タツタソウと名付けられたそうだ。

薪割りが終わると、こんどは家のメンテナンスや庭仕事にあてる時間が、自然と増えてくる。お天気の良い日は、気づくと一日の大半を屋外で過ごしていた!なんてことも多々あって。家の中でしかできないことは、雨の日や暗くなった夜にやればよいと思えてくるから面白い。これから訪れる季節は、まさに晴耕雨読の日々だ。

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北欧を代表するこのマグカップは、確かククサと言ったっけ?同行した友人が帰りがけに自宅で珈琲を淹れてくれ、初めてその感触を味わうことができた。珈琲の味がしょっぱいのでびっくりしたが、ククサは制作過程で塩に漬け込むのだそうで、その塩気がいつまで経っても抜けないというわけ。お茶の味わいは変わってしまうけれど、いつでもどこでも塩分を補給できるという意味では素晴らしく、デザインも秀逸!

2014年4月24日木曜日

心は花屋へ

今朝の軽井沢、冷えましたね。マイナス3℃くらいまで。4月も下旬になろうとしているのにこれだから、ダウンジャケットやカシミヤのセーターを、クリーニングに出すタイミングを見失ってしまう。”一年のほとんどが寒い”これが軽井沢。

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それでも、朝日を浴びたアブラチャンや咲き始めたばかりのクロモジを間近で見たくて、外へ出た。真冬のあの寒さではないけれど、まだまだひんやりとした、健全な身体を持ってして初めて心地よいと感じる寒さだ。寒暖の差が生み出す花の色の美しさや、野菜のおいしさや、様々な恩恵を肌で感じながら…。

昨日、行きつけの花屋さんへ行ってみたら(心は自然と花屋へ向かう時期です)、「今年は大雪の影響で、鉢物や苗が少ないかもしれません」って仰ってた。景色の中から雪が消えたことで、あの大雪のことをすっかり過去のものにしていた自分にハッとした。農作物をはじめ様々な産業に、今でも深い爪痕を残し苦戦を強いられている方たちがいる。今年は庭に花を植えるとき、そんなことを意識してみたい。