2014年2月10日月曜日

雪国 日本

土曜日に降り続いた雪が、町の景色を一変させた。積雪30センチ、小さな雪国の登場だ。立春を過ぎたあたりから再びマイナス10℃を超えるようになり、日中も氷点下のままという厳しい冷え込みが続いていたので、今シーズンは”雪も降らぬほど寒い、昔の軽井沢”だったと、正直なところ冬を閉めくくりたい気分になっていた。ところが、そうは問屋が卸さない。雪が消えて軽やかになった屋根は、また分厚い布団にくるまれた。

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めまぐるしく変化する陽気に、さずがの我が子もダウン。誕生日を翌日に控えた夜、突然39.5℃の高熱にうなされ、翌朝病院に連れてゆき検査をしてみると、なんとインフルエンザのB型にかかっているというのだ。いったい何処でウイルスをもらってきたというのか?心当たりはなかったが、「大流行しているので、ウイルスはそこらじゅうに飛散している」という医師の言葉は本当のようだった。手洗いにうがいとどんなに気をつけても、食事を疎かにし抵抗力が落ちた隙に敵は忍び込んでくる。子供の看病をしているうちに私もひどい喉風邪をひき、新しい一年の幕開けは、なかなか厳しいものになってしまった。

しかし、一年のうちに数々の節目がある日本の文化には、ものごとの道理のようなものがそこかしこに感じられ、こうして親子で季節の節目に病気などしてしてみるとなおさら、襟元を正される気分である。

数十年ぶりに大雪に見舞われた関東や東海。雪の脅威と神秘に触れて、大変だけれど素晴らしい週末になったに違いない。

 

2014年2月5日水曜日

手仕事に夢中

今日は明け方の気温がマイナス13℃まで落ち込み、日中もずっと氷点下のままという、真冬に戻ってしまった軽井沢。如月とは、いつもこのような調子である。こんな日はいっその事外へ出るのをやめて、サンルームと化した暖かな(正確には暑いくらいの)リビングで一日を過ごすのが吉。子供も外の寒さを察したのか、次から次へと自分の本棚から絵本を持ち出して、「ここに座って、これ読んで!」とジェスチャーを繰り返す。

私はと言えば、ここにきて手仕事に夢中に。これまでの人生、およそ裁縫とは無縁だったはず。が、子供が春から通う幼稚園がきっかけをくれたのだった。帽子につける名札を、お手製のフェルトで作るというのだ。ふわふわの羊毛をちぎり、好きなモチーフを並べる。その上から洗剤の入ったスプレーをかけて、こすって、ニードルでさして…という、単純なのだが一心不乱になって作ることを求められるフェルト作りが、これほど楽しいものだったとは。そして最後には、我が子の名前を刺繍糸でひと針ずつ縫ってゆくという素晴らしさである。入園を待つ冬の間にぴったりな、愛情に満ちた時間をくれたスタッフの計らいに感謝する。

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羊毛にすっかり魅せられてしまった私は、フェルト作家として活躍する友人を自宅に招いて、こんどは欲しかったボトルカバー作りに挑戦!すると、ニードル作業が主体だった名札作りとは、まるで勝手が違うではないか。羊毛を”一枚の生地”にすることはつまり、こすってこすってこすっての繰り返し。小物であっても一日仕事という、重労働だということがわかった。

それでも、皮のショルダーをかしめて完成したカバーは温もりに満ちていて、既製品にはない魅力が。この機会に様々な手仕事に触れ、かじることのできるものは積極的にかじり、思い切り楽しんでみようと思っている。

2014年2月3日月曜日

暖かな、節分

立春を明日に控えた今日2月3日は、節分。季節を分けるこの日が、いつしか大晦日のように感じられるようになった。昨日から軽井沢はぐんと気温が上がり、屋根からは雪が消え、窓からの眺めからも”白いもの”がもの凄いスピードで消えつつある。今日は、信じがたいことに最高気温が14℃まで上昇!霜柱で凸凹になった庭の地面は無惨なまでにぬかるみ、そこをスニーカーで駆け回ろうとする子供の手を、思わず引いている自分がいた。今夜から再び冷え込むという予報だが、もう冬は戻ってこないような気がする。

今シーズンほど、雪掻きの出番が少なかった冬はなかったかもしれない。肉体労働は少なかったが、そのぶん冷え込みは本格的だった。リビングから、何度もダイヤモンドダストの放つ神秘的な光を見つめてきたが、その煌めきに包まれる度に、都会から最も近い極寒の地に暮らすことの意義を感じていたように思う。厳しくも美しい冬の日々は、もうすぐ終わりを告げる。早く春にならないかなと思いつつ、後ろ髪を引かれるような…それは、雪が少なかった今シーズンだから感じる、冬に対する特別な思いかもしれない。

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写真は、1月31日。室内に運び入れた薪の中で越冬中の、クロスズメバチの女王だ。この後すぐに外へ戻したが、この暖かさでは眠りから覚めてしまったことだろう。

2014年1月18日土曜日

黒の装いを愉しむ

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マイナス10℃以下の厳しい寒さが続く軽井沢だが、18時をまわってこの青さ。少しずつ、日が延びてきていることを実感する。

都会暮らしをしていた頃は、この時期になるといち早く春の柔らかな色を纏うことを、ささやかな楽しみにしていた。が、ここ軽井沢ではその時相当の装いでいることが、着ている本人も眺めている側も安心なのだ。冬の間の私の楽しみ、いや愉しみは、なんといっても”黒”を装うことである。

黒い服を着ることがなぜ嬉しいのか?特別なのかと言うと、それには理由がある。夏が近づいてくると、蜂。玄関から一歩出ればそこは自然界。木々の芽吹きとともに小さな虫が活動を開始し、それを餌にする蜂がコロニーを作り出す。割と静かなクロスズメバチでさえ、黒い服や車には本気で威嚇してくるから怖い。そして、熊である。しかし、熊も蜂も、冬の間は冬眠してくれる。”郷に入っては郷に従え”これが、自然界と仲良く、気持ちよく暮らすためのルールである。

今日も私は、上から下まですべて黒装束であった。黒という色の持つ奥深さに魅せられると、いずれ大変なことになる(安物では済まなくなるから)とわかっていながら...。

2014年1月10日金曜日

ダイヤモンドダスト

今日は、この冬一番の冷え込みだったかもしれない。一昨日は春のような湿った雪が降り、粉砂糖と言うより、もっと硬いアイシングでデコレーションされたような木々が作り出す風景に、おとぎの国を見た。大人も子供も、厳しい寒さを忘れてその眺めにうっとりしたことと思う。

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だが、寒波というのは、だいたいこのような暖気の後にやってくる。今朝はマイナス12℃、場所によっては15℃くらいまで冷え込んだと思われ、お昼を過ぎても氷点下のままだった。よく晴れているから、マイナス1、2℃なら問題はない。しかし、今日の場合は最高がマイナス5℃!である。ここまで冷え込む日は、そうそうない。いつもはスノーブーツを持ち出して「外へゆこうよ!」とせがむ子供が、不思議だ。家の中で静かにしている。

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そんなわけで、今日は午前中いっぱい、温室のようなリビングからダイヤモンドダストの煌めきを眺めることができた。この時期の軽井沢の寒さは真に厳しいものがあるが、今日のような美に遭遇すると、自然の中で暮らしてゆくことの醍醐味を感じずにはいられない。もうすぐ、と言ってもこれからが長いのだが、本格的な寒さの峠は越す。

2014年1月8日水曜日

金婚式によせて

この春、旦那さんの両親が結婚50周年を迎えるのだという。そこで、正月の宴の席を借りて、ささやかな金婚式のお祝いを行った。

こども造形教室を開いている弟からは、夫婦の自画像を。金婚式にちなんで、キャンバスに金箔を敷き詰めてから描いたそうだ。

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幼い頃から絵を描くことが好きで、東京芸大の油彩科にストレートで合格(受験者数2000人から、合格した60人のうち男性は彼ひとり)したその実力は、今なお健在!

近くのスタジオへ行き、親子三代揃って記念撮影。その後、ケーキに5と0のキャンドルを灯して、もう一度お祝いをした。

一口に50年と言っても、それはそれは毎日のお天気のように、様々な局面に遭遇したことと思う。そして何より、同じパートナーと半世紀ものあいだ生活を共にしてきたというだけで、凄みがある。私たち夫婦は、もうずいぶん長いこと一緒に暮らしている気がするけれど、まだ14年…。そう考えると、人生のパートナーとしては、まだまだひよっこ。始まったばかりなんですね。

定年後、父は庭師へ転向。

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母は、趣味である木目込み人形づくりを、職人の域にまで到達させた。

二人とも、生まれ故郷の九州を後にした”努力のひと”であり、人生には無駄なことなど何もないことを教えてくれる存在。私たちも、これから11年後(今はとても想像できない未来だけど)の銀婚式を、子供と共に健やかに迎えられたら素敵。

 

2014年1月1日水曜日

新しい年をまたここで

昨年に引き続き、星のや 軽井沢で新年を迎えた。集いの館 メインダイニング嘉助の特等席に腰掛け、日本の憧憬を丁寧に歌い上げたアカペラを間近に聴きながらという、贅沢なスタイルで...。

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我が子は21時頃からベッドですやすやと眠ったまま。傍らには旦那さんが一緒に寝てくれている。当初は家族揃って”その時”を迎えようと思っていたのだが、こちらの都合で無理矢理寒い外へ連れ出すのは酷である。そんなわけで、私にサプライズが舞い降りたのだった。一年の締めくくりに、人々が同じ場所に集っているという不思議。老若男女関係なく、そこに知り合いがいるわけでもない。しかし、一緒にいると自然と一体感のようなものができてきて、なんとも心地よい空気が生まれてくる。あぁ、だから私たちも、また此処に来てしまったのだ。

おそらく、ただひとつとして同じものはないのだろう、星のやの年末年始。趣向を凝らした演出が嬉しかった。

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小さな子供がいるというので、用意してくれたのだと思う。内湯に浮かべて楽しむ、さかなすくい。檜風呂に合わせて木製を選ぶところがいいな。

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水辺に浮かぶ紅白の行灯が、艶やかな新年を感じさせて。年末年始は寒さも和らいで、例年より雪も少なく、一見冬の終わりのような眺めではあったけれど、足下が凍っておらず安全というのは、とても快適な滞在であった。

大人だけの暮らしでは、なかなか見えてこなかった一年という時間。だが、子供ができたお陰で、時間というものが鮮明に見えるようになってきた気がする。私自身も一日を大切に、丁寧に生きてゆきたいと思う。2014年もBone conduction life 軽井沢おいしい暮らしを、どうぞよろしくお願いいたします!